歯を失ってそのままにしていると、様々な影響が出てきます。 歯は全体のバランスから成り立っているので、たった一本の欠損でもそのままにしておくことはよくありません。
機能面での影響 1 抜けた歯とかみ合っていた歯が伸びて出てくる(対合歯の挺出) 2 抜けた歯の両隣の歯が動いて傾いてくる(隣接歯の傾斜) 3 かみ合わせが狂ってくる(咬合の不調和・顎偏位症) 審美面での影響 1 見た目が悪くなる(美観を損なう) 2 歯ぐきの位置が下がってくる(歯肉の退縮) 3 顔のりんかくが変化してくる(顔貌の変化) 生活面での影響 1 ちゃんとかめない事で胃腸に負担がかかる(咀嚼障害による胃腸への負担) 2 うまく発音ができなくなる(発音障害) 3 脳への刺激減少 項目をクリックすると、詳細にジャンプします。
失った歯の対合歯(かみ合わせの反対側の歯)は、かみ合う歯がないので、徐々に伸びてしまいます。
両隣の歯が、歯がない方向に徐々に傾いてきます。 長い時間そのままにしていると、さらに隣の歯も同じように傾いていきます。
3) かみ合わせが狂ってくる(咬合の不調和・顎偏位症)
デンタルIQという言葉が日本でも広く知られるようになりました。歯の美しさは知的な印象を与えます。 歯列の一部欠損(歯抜け)は、人前で笑顔を見せることが億劫になったりコンプレックスとなり、コミュニケーションを阻害することがあります。 歯列の一部欠損(いわゆる歯抜け)は、人前で口をあけたり笑顔を見せることに抵抗感を与え、コミュニケーションが阻害されたり、表情が暗くなりがちです。
歯を失うと、歯肉が小さくなってしまいます。 「歯茎がやせる」とも一般的に言われますが、実は歯肉の中にある骨の量が少なくなるためにそれにあわせて歯肉が小さくなったように見えるのです。歯肉の退縮は、歯周病(歯槽膿漏・歯肉炎)の進行でも起こります。
往年の映画女優マレーネ・デートリッヒは、頬のラインをくぼませるために奥歯を抜いたという有名な話があります。 奥歯を失うと頬のラインや顎のラインが内側に寄ります。 また、歯を失って時間がたつと歯肉がやせるのでさらに頬がこけて見えたり顎がたるんで見えたりします。 また、前歯の場合は口元にシワが寄りやすくなります。
うまく噛み切れない・噛み砕けないといった状態が続くと消化しにくい状態で食物が胃腸に送られることになり、胃や腸への負担が増加します。 また、咀嚼が十分でないと唾液の分泌が不足するので、消化の妨げになります。 その他、唾液は口の中をきれいにする自浄作用があります。唾液の不足は口臭の原因ともなります。
歯がない部分から息が漏れ、発音が不明瞭になります。 聞き取りにくい話し方になるのを気にして、人と話すことに消極的になってしまいます。
口の中は非常に多くの神経が通っている繊細な器官です。 味覚・触覚・嗅覚が発達した部分なので、歯を失ったことによる咀嚼などの変化が、脳への刺激減少となります。 「よく噛むこと」は脳の老化防止へとつながります。